同じデータなのに線の太さが違う!?
こんばんは。
先週は土曜日に、前回お知らせしていた古川潤さんの彫刻展「汽水域」を見てきました。
海や川にまつわるさまざまな生き物たちは
彫刻なのでもちろん動かないですが、
目を見ているとそれぞれに魂が宿っているような佇まいでした。
見に行かれる方は上の方を見上げてみることをオススメします!

今週は、いくつかの案件で印刷物の刷り出しがあり、
私も立ち会いをしてきました。
(以前書いた、刷り出しの立会いについてのブログ)
そこで刷り上がった印刷物をよく見てみると線の太さが、
事務所で見ていたものよりも細く見える!?ということがありました。
同じデータを見る場合でも、
パソコンの画面でみる場合と、
事務所のレーザープリンターで印刷した場合と、
印刷会社の印刷機で印刷した場合とでは、
線の太さに多少の誤差が生まれるようです。
その理由のひとつを簡潔にまとめると、
機械によって印刷物の精度(きめの細やかさのようなもの)が異なることが原因でした。
人間でもきめ細やかなお肌が綺麗に見えるのと同じで、
印刷でも細かいと綺麗な(正確な)印刷になります。
逆にきめが大きくなると粗さが目立つようになります。
パソコンの画面<事務所のレーザープリンター<印刷会社の印刷機
の順できめが細かくなるため、パソコンの画面で見ている線と比べると
より精細にスッキリと引き締まって見えるのが、線が細くなった理由でした。
▽例 こんなに見え方が変わります!

1.は初回のデータを事務所のプリンターで出力したもの。
2.は1.のデータのままだと最終的なオフセット印刷で線が細くなってしまいそうだと判断し、指の線を0.1mm太らせた入稿データ(事務所のプリンターで出力)
3.は2.のデータを印刷会社のプルーフ(簡易色校正)で出力されたもの。
4.最終的に本紙でオフセット印刷されたもの。
2.3.4は全く同じデータですが、やはり4.の最終的なデータでは指の黒い線が引き締まって、スッキリと見えますよね。
2.だけ見るちょっと太すぎるかな?と思いますが、最終のデータを見ると丁度よい太さになっています。
途中で仕上がりの印象を確認するためにも色校正を取って、
そこからさらに理想に近づけるためにはどのように改善していくかを考えたり、
印刷会社のプロの意見を聞いたりしながら理想のものを作り上げていく姿を見て
最後までこだわって一つのものをつくるデザイナーの役目を感じました。
それでは今週はこの辺で。
くろさわでした。