気づかれないような工夫をしていることに気づきました
こんばんは。
ついこの前ブログを書いたばかりだと思ったら、もうブログ更新の金曜日に。
トランクではもう年末を通り越してバレンタインの話もでてきています。
さて、今週のブログは久々に、学生のときには知らなかったシリーズでいきます。
今週は、「約款」を制作する仕事がありました。
契約書に小さな文字で第1条~~~第2条~~~…などとズラズラと条項が書かれているものを約款といいますが、
実際に制作してみると、文字だらけのものを少しでもきれいに見やすくする工夫がいつくもあることが分かりました。
例えば、(あいうえお) (あいうえお)
上記の二つのあいうえお、何が違うか分かりますか?
答えは()の違いです。左側が全角で右側は半角の括弧です。
基本的に日本語の場合は、左側の全角の括弧を使ったほうが、下のツラが揃っていてきれいに見えます。
さらにトランクでは、文章中の括弧は他の文字よりも0.5pt小さくするルールがあります。
あいうえお(かきくけこ)さしすせそ の場合、
(かきくけこ)だけを少し小さく表現するのです。これも見やすさのための工夫です。
数字にもいろいろな工夫があります。
例えば電話番号を「0296-71-6707」とそのまま打つだけでは、
数字の中心よりもハイフンが下がって見えてバランスが良くないので、
ハイフンを数字の中心に持ってくるような調整が必要になります。
また、「0000」という数字と「1111」という数字を比べると
目の錯覚で0と0の間より、1と1の間のほうが広く感じます。
こういう場合は、文字と文字の間がバランスよく見えるように整えていきます。(カーニングといいます。)
さらには、数字は半角に揃えたり、「,」ではなく「、」にしたり、
時には文字の間隔を広く開けたり、ぎゅっと詰めたり、
でも極力文字自体を潰したり伸ばしたりせずに、決められた範囲内にレイアウトするのは、
パズルをしているような感覚になっていきます。
ぴったり収まったり、心地いい位置で改行できると快感です。
約款に限らず、身の回りの食料品の原材料名の部分や、薬の効能が書かれている部分など、細かい文字がぎゅっと詰まっていて、意識しないと見ないような部分にもデザイナーさんの手が加えられているばずです。
学生時代、講義のレポート=デザインの授業ではないから、と
とにかくスペース稼ぎのために文字を大きくしてみたり、
無駄に改行をしてみたり、文字間を広げてみたりしていた自分に、
それじゃあ社会に出たら通用しないよーと言ってやりたいと思ったのでした。
今週の一枚「カチナドールとご対面の所長」

それでは、今週はこの辺で。
くろさわでした。