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笠間陶芸大賞展

来年、2020年。これまでにない画期的な陶芸の公募展がここ笠間で開かれます。
その名も「笠間陶芸大賞展」。

TRUNKは、この公募展のロゴからポスター、応募要項、そしてスマホサイトまでの告知ツールをデザインさせていただきました。
この公募展の初回の打ち合わせに際して、金子賢治館長がしてくださったお話を聞いて、

「これはまさに現代の民藝運動と言える画期的な試みじゃないか!」と感動して興奮しました。
その気持ちのテンションを保ちながら、それぞれのツールデザインにメッセージを落とし込んでいきました。

その金子館長の言葉は、募集要項とスマホサイトの中で読むことができますが、ここにも貼り付けてみますので、ぜひ読んでみてください。

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笠間陶芸大賞宣言
ー 伝統も、オブジェも、食器も、みなアート ー

笠間の、茨城の、そして日本、世界の陶芸制作者のみなさん。笠間陶芸大賞展を開催致します。

この展覧会は二部制で行われます。第一部は従来の公募展と変わりません。伝統工芸、オブジェ、「生活の器・食器」など、ジャンルを問わず、あらゆる形の陶磁器の出品をお願い致します。第二部は「生活の器・食器」制作者の指名コンペです。

これまでの公募展では「生活の器・食器」はほとんど出品されてきませんでした。これは鑑賞的な陶器はアートで、日常食器はアートではない、という風評が原因の一つであろうかと思われます。これはおかしなことです。制作者が自分の個性的な形を表したもの、それが現代のアートです。どんな形かということは関係がないのです。
「生活の器・食器」造りを主な仕事とされている方たちはコンペの類にはほとんど全くといってよいほど関心をお持ちではありません。また美術館で作品が所蔵されることにも関心のない方が多いと思います。

本当にそれでよいのでしょうか。みなさんが60代、70代になられたときに、こんなことになりませんか?
「なにをなさってましたか?」
「陶器を作ってました。」
「どんな陶器ですか?」
「画像くらいはありますが、実物は今どうなってるかわかりません。」
これではあまりに淋しいのではないでしょうか。

私は、日本の文化の重要な一翼を担っている「生活の器・食器」の節目節目の作品を美術館で所蔵し、陶芸文化、日本文化の記録として遺していきたいと思っています。

それともう一つ。「生活の器・食器」を長年見つめてこられたスペシャリストのみなさんに作品を選んでいただき、それを顕彰したいと思います。

このコンペで選ばれた作品、美術館で所蔵された作品。これらを積み重ね、時代の「生活の器・食器」文化として遺していきたいと思います。

「生活の器・食器」制作者のみなさん!!
第一部の公募部門はこれからです。是非、たくさん出品していただくようにお願い致します。そして伝統工芸、創作的工芸、オブジェ、人間・昆虫・海洋生物のフィギュアなど、ありとあらゆる作品を出品してください。
私たちは全知・全力を挙げ、現代に通ずる、あるいは現代を超えていく作品を選択し、時代の文化として遺していきたいと思います。

笠間陶芸大賞展実行委員会委員長
茨城県陶芸美術館長
金子 賢治

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応募要項は茨城県陶芸美術館、笠間陶芸大学校などで配布中。webからダウンロードも可能です。

この公募展の趣旨が広く伝わり、一人でも多くの作家さんが、日本各地そして世界から参加する企画に育っていくことを願っています。