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TRUNKが「BANSO」を作った2つの理由 その2 中小企業にこそデザイン視点を

リブランディングやデザイン経営の思考には、根拠のあるデザインが必要。

TRUNKが「BANSO」と作った理由の2つ目として、代替わりを控えた経営者の方や店舗をオープンして数年走ってきたトップの方から、リブランディングの相談が増えてきたのがきっかけでした。

「先代の時に作ったWEBサイトが自社の本当の姿を伝えられておらず、誤解が生じている」「オープンから必死に走り続けてきて5年経って、ふと立ち止まってこの先の5年10年先のことを考えたら、このままじゃいけないと思った」「社長退任を目前にして、社長がまだ在籍中に会社の方向性を明確化して社内でその思いを共有したい。そしてその考えを社外にも発信していきたい」「下請けでものづくりをしてきたが、その技術を生かして自社商品の製造販売をすることで、下請けからの脱却を図りたい」など、内容は様々ですが、いずれも強いリブランディングの必要性を感じました。


デザインを一新するだけではリブランディング(ブランディング)とは言えない

一般的にデザイン事務所がブランディングやリブランディングを承る場合、ヒアリングによって、「強み」や「他にない個性」を軸にデザインを一新していくという提案をするというのがオーソドクスだと思います。TRUNKでもかつてはそのようなアプローチでした。

しかし、本当にデザインを一新すれば、リブランディング(ブランディング)と言えるのだろうか? 日々経営の課題に直面し、これからのことを試行錯誤している経営者の方の悩みを、デザイン新しくするだけで解決することができるのか? 答えはNOだと思います。

単純なデザイン一新では課題は解決しない、しかし最終的な視覚的なアウトプットは絶対に必要。では、その時にデザインができることは、何なのか? どうすれば本当の意味でデザインが役に立てるのか? そのためには、通常のヒアリングだけでは見えてこない「業界の課題」「企業の課題」「担当部署の課題」や、理想のターゲットにアプローチするために何をすべきか、など様々な情報を皆で出し合い、われわれTRUNKも含めた全員で情報を共有し、解決策やアイデアを考え共創する、そのプロセスこそが大事なのだと思います。

B to B、B to Cに関わらず、すべての中小企業にこそリブランディング(ブランディング)を

茨城はB to Bでものづくりをされている無名ながらも、素晴らしい技術を持ったたくさんの企業があります。そういった企業には、大手の依頼で納品した(見れば誰もが知っているような)優秀な商品を自社が作ったと言えなかったり、良いものを出しても大手にすぐ真似をされ、知名度が低いというだけですぐシェアを奪われてしまう、商品のブランド力が低いために、販売店から買い叩かれる、など非常に厳しい状況に置かれている現状があります。

我々がフィールドワークをする中で出会ったあるB to Bの社長さんは、数年前にあるデザイン会社を紹介され、ブランディングが大事と言われてロゴ〜名刺などのアクセサリ〜web〜動画など一式新しくしたが、全く効果がなかったそうです。「顧客は背景を知りたいストーリーを知りたいとよく言うが本当にそうなのか。我々のディストリビューターには受注に繋がらない話はほとんどは無駄な情報と言われる。とにかく大事なのはスペック、納期、価格だ」とおっしゃっていました。

これはブランディングと称するデザインリニューアルのもたらした典型的な例なのではないかと思います。せっかくお金をかけたのに何も効果がないことで、この社長さんは、デザインアレルギーになってしまったようです。

とは言えB to Bのビジネスでも、最終的なユーザーは一般消費者(C:Customer)がほとんど。最終消費者のことを見ず、目の前の商談のことだけを考えてものづくりをするのは、長期的に見てあまり良い結果にならないのではないでしょうか?

企業が10年、20年、30年続く土台を作り、社長さん始め、社員さんもみんな自分らしく、健康で楽しく働きづづけられて、次の世代に会社を承継していくためには、目の前の商談を成功させることに注力する一方で、企業をリブランディングし、商品のブランド力を付けていくという取り組みは不可欠ではないでしょうか?

TRUNKはみなさんとの共創を通して、課題を発見し、その解決方法を共に考えながら最終的に根拠のあるアウトプット(デザイン)に落とし込む。さらにそのデザインがどう機能したか、なぜ機能しなかったか、などの検証を通して改善と改良を施していく、というブランド構築のサイクルを「BANSO」を通してご提供します。